1)宮城県の自然の概況
宮城県の地形は山形県との県境部に脊梁山脈の奥羽山脈が走り、県北部には北上山 地の南端部が太平洋岸に沿って張り出し、県南部に阿武隈山地の北端がのぞく形で奥
羽山脈の東側の裾と接している。奥羽山脈は東に裾をひいて広い丘陵地を作り、迫川、鳴瀬川、七北田川、広瀬川、名取川が東に向かって流れ仙台平野を形成している。また北上山地を主な源にする北上川が岩手県から南下し、福島県から北上する阿武隈川と共に県北部、県南部の平野を形作って、砂浜の続く仙台湾に注いでいる。
気候は表日本的特徴を示し、西が高く東が低い地形であることから、北上山地にさ えぎられる県北部の平野部や、阿武隈山地にできた小盆地の地域を除いて、比較的単
純で、等温線も主として奥羽山脈に沿って南北に走るような形になっている。 このような地勢及び気候から、植生も海岸地帯には温暖帯性の常緑照葉樹がみられ、栗駒山、船形山、蔵王山塊の中腹はブナ林が広く被い、山頂付近には高山植物群落がみられるなど、それぞれの気候帯に対応した植生となっている。
平野部には水田や畑が広がり、山地帯の下部に広がる標高300〜400m以下の丘陵地のほとんどは、かつては薪炭林として伐採が繰り返されてきたコナラークリ林であった。これらはスギの人工林になったところも多く、また仙台市など都市部周辺では住宅化が進み、残されたコナラークリ林の多くは荒れるままになっているところが多い。
奥羽山脈沿いの標高400m〜1300mの山地帯は、ブナを極相とした冷温帯林の広がる地域になっている。これらの地域はチシマザサを下生えとし、日本型のブナ林と呼ばれている。また北上山地の低標高の山地にも、かつてブナ林があったと推定され、現在金華山にみられるブナ林がそれを裏づけていると言われる。この北上山地のブナ林は林床にスズタケ、ミヤコザサが生育、これを表日本型のブナ林と言っている。
前述したように仙台市だけではなく多くの市や町で周辺丘陵地の住宅化、その他の 開発が進み、多くの生き物たちの生息地が失われてきている。また農耕地やその周辺
も、多くの生き物たちが生活できた時代と様相を異にし、住みにくい場所になってき ている。水田の乾田化や用水路のコンクリート化によって姿を消した。また、かつて
水田の水を確保するために造られた溜め池も、最近は不用になって、よく行われてい た泥さらいも行われないことから陸化が進み、溜め池がなくなった場所もでてきてい
る。